地域の産業をつなぐホテル美都 津山庵
岡山県津山市城東地区 複合宿泊施設「美都 津山庵」
1F:COFFEE / BAR・ART GALLERY / BEAUTY SALON
2F:HOTEL
1階は、カフェ・チェンチバー エステサロン併設
2階は、旧出雲街道に面した5部屋(2〜4人用)の宿泊施設
■Project data
期間:~2020.3
対象:空間デザイン・ディレクション
発注者: 株式会社リストワールインターナショナル
L’HISTOIRE INTERNATIONAL CO.,Ltd.
所在地:津山市城東地区(重要伝統的建造物群保存地区)
用途:宿泊施設
規模・構造:
関連情報:
「津山 美しい建築の街」(著:稲葉なおと 編集:山陽新聞社) 中之町の商家
地域を表現するために、地域企業と共同して改修を行いました。
和田デザイン事務所:デザイン・ディレクション
下山設計:実施設計
KOUKENホールディング株式会社:施工
ようび:家具製作(R1年度県産材利用促進対策事業)
江見写真館:特別協力
コンセプトに応じて周辺のコンテンツもデザインしています。
・サインデザイン(看板、施設案内表示等)
・カフェのアイテムデザイン(紙カップ、ラベルシール等)
城下町として栄えた津山市。旧出雲街道沿いに、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「城東町並み保存地区」
津山市を含む美作地方は、「珈琲」という字の発祥である洋学者(蘭学者)の宇田川榕菴を始めとして、日本の近代化に貢献した洋学者を多数輩出しました。美都庵のある城東地区には「洋学資料館」や「城東むかし町家」、歴史的な建造物・史跡が多くあります。
Things「こと」
歴史を紐解き、紡ぐ
地域で創業約140年の歴史を持つ「江見写真館」のご主人に、地域の歴史や町並みについてお話を伺いました。
貴重な写真を特別に拝借し、壁面に昔の情緒的な町並みや人物を大きく、各室には縁のある風景を。
紙カップデザインには、当時を思い起こさせるハイカラな女性の写真を起用しました。
宿泊者だけでなく、訪れた地域の方にも懐かしんでいただけるような
歴史を紡ぎ「地域」を十分に感じられる空間にしています。
Space「もの」
地域の産業をつなぐ
また、以前よりご縁があり、地域の特産品である「横野和紙」の技法を継承してきた上田繁男さんにもご協力いただき
淡く繊細で美しいベンガラ色の和紙を、壁面や天井にふんだんに貼り巡らせています。
お酒を窘む上質な雰囲気を醸し、昼夜で表情を変える空間は圧巻です。
カフェスペースには、地域産業である木とステンレスが組み合わさった、印象的な長テーブルが置かれています。
それぞれに技術の高い地域の企業を訪れ、職人や現場の方々に想いを伝えるところから。
今までに無い、「地域を表現する」地域にある産業のコラボレーションが叶いました。
Future「みらい」
歴史や文化の町並みを継いでいく
カフェの長いテーブルで、大人数のグループや、城東地区を町歩きしていた見知らぬ仲で会話を交わし
居心地よく過ごしているシーンをよく見かけます。
また、「地域の方に寄っていただきやすいように」と工夫されたドリンクチケットを手に
昔の写真を眺めながら和やかにお話してくださるご近所の方もいらっしゃいます。
歴史的な建造物が並ぶ街道に、泊まって
「地域」を知り、体感する一日を過ごされてみてはいかがでしょうか。