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2020.07.22

天空の家

Home in the sky

 

 

■Project data 

期間:
対象:空間新築
発注者:個人
所在地:
用途:個人住宅
規模・構造:

 

 

親や先祖、地域の方との家づくり

私が岡山へやってきて最初に携わらせていただいたお家の一つです。
まず、ロケーションに驚きました。とにかく山を登っていく車の角度も、それはそれは・・・。

お家が出来た場所は、元々昔ながらの納屋があり、ご主人が子どもの頃から利用していたお話なども伺いました。拝見するといわゆる引き違いの窓がポツンポツンとあけてある。

事務所に帰り、あの眺望やこのロケーションを活かそうと、構想をまとめはじめました。

 

初回提案からほぼ骨格は変わることなく、詳細を数ヶ月で詰めていきました。
それまで、都市部でのマンションの図面などを何百軒、小規模リフォームを数軒と描いてきた私でしたが、このような素敵なロケーションに家を建てるケースは経験した事がなく、それに適した材料選定などにも大いに工夫を凝らしました。とくに、お客様のお爺様の代から大切に育てられた裏山のヒノキの樹を建材にしていくという貴重な瞬間にも立会いさせて頂きました。お父様方とも一緒に山に入り、目ぼしい樹に印をつけ、伐採し、後日製材所で加工してもらいました。

風呂や特殊なヒーター(PS)などを選定するに当たっては、お客様と共に京都までショールームを見学に行ったり、個人的に東京のショールームで恩熱環境を実感し確かめたりしながら進めてきました。
山の上ですが、シアタールームなど楽しみも盛り込まれていて、絶景付のお風呂やリビングもあり、冬でも半袖で過せる環境が作りだされていて、“もうリゾートホテルとかわざわざ行かなくてもいい”という気分も。

工事が始まってからもどのシーン忘れがたいですが、とくに棟上の日の「餅投げ」に地域の方が大勢集まってくださったことが印象的です。津山近郊でもだいぶ減ってしまった建築とともにある、昔ながらの行事ですが、この地にまた家が建つ歓びを地域の方とともに感じるということも、また感動がありました。

 

 

 

家づくりとは、核家族だけの話だけでなく、広く親や先祖、時には地域の方ともつながりながら在るものなのだと、私が実感を持つきっかけとなったお家です。

 

 

 

 

 

 

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